
昨今の物価高で、毎日の食事に関わる野菜の値上げも続いています。それもあり、園芸界では“食べられるガーデニング”が人気を集めているそうです。「上手に育てられたら消費に困るぐらい収穫できますよ」と話すのは、園芸超人・カーメン君。そこで、園芸歴20年以上のキャリアをもつカーメン君に、初心者がプランターでも栽培しやすい野菜について教えてもらいました。
育てるなら“短期間でたくさん収穫できる”もの
野菜と一口に言ってもさまざま。たとえば「実」でも、トマトやカボチャのように中身が詰まったものと、ピーマンやシシトウのように中が空洞なものでは、育つスピードや収穫量がちがうんですよ。また「葉物」でも、ハクサイやキャベツ、レタスのように、巻くものは時間がかかります。
せっかくご自宅で作るなら、比較的短期間で実り、たくさん収穫できるものを選ぶと楽しいですよ。しかも短期間で実るから、植える時期を1週間とか2週間ズラせば、長い期間たくさんの野菜をたのしめます。

“短期間でたくさん採れる”おすすめ野菜
ピーマン

自宅のプランターでも次々に実る野菜ナンバー1は「ピーマン」! 苗から育てるとラクです。夏野菜の中では失敗が少なく、秋の終わりごろまで長く採れるのもポイント。似たような野菜で、シシトウやトウガラシも育てやすくてたくさん実るけど、食べやすさでいえばピーマンだよね(笑)。越冬させるほうが手間なので、次の春にまた新たな苗で楽しみましょう。
空芯菜

一般的に野菜は猛暑でだめになりやすいけれど、「空芯菜」は水さえあげておけば伸びるし、真夏も収穫が止まらない。困ったぐらい採れる(笑)、まさに“無限”野菜です。虫にも強く、なんだったら切った茎を地面に刺せば、またそこから伸びてくるぐらい生命力があります。一方で、寒さには弱くて、越冬はできません。次の春にまた種を植えるまで、空芯菜レシピを検索しておいてください。
ニラ

“無限”でいえば、「ニラ」も負けていません。最初は種から育てます。空芯菜と同じく虫に強く、しかも寒さにもある程度強いから、越冬できます。ニラは株が毎年1つずつ増えていくので、分けて植えれば繁殖させることもできますよ。ニラも、大量消費レシピを検索しておかなければいけないぐらい採れます。
春から育てる夏野菜の苗選びのポイント
夏野菜の苗は、早ければ4月から出回って、6月まで手に入れられます。ただし梅雨時期は植えられる苗自体が少ないので、できればG.W.までに、早めにチェックするのがおすすめ。早い時期に植えれば、その分だけ長く生育期間が取れて、量もたくさん採れますよ。
選ぶときは、ヒョロッと茎が伸びているものは避けましょう。大きいからいいと思いがちですが、残念ながら売れ残りで状態の悪い苗かも……。野菜の苗は、お店に入荷したてがベスト。見極め方は、ポットに対して小さめで、葉の緑が濃いもの。日当たりが悪いと葉がすぐに黄色くなるので、濃い緑は健やかな証です。

一件左の大きいもの(左)を手に取りがちだけど少し小ぶり(右)くらいの大きさの方が◎
野菜は草花と比べて成長が早いので、小さく買って、大きく育てる! これがたくさん収穫できる苗選びのコツです。

「ポットに対して小さめで、葉の緑が濃いもの」がポイント!
収穫は早め早めに
無限に採り続けたい場合は、早め早めに収穫するのが理想です。ピーマンは枝についたまま完熟すると甘くなっておいしいんですけどね〜。
虫がつくのは美味しい証拠!?
野菜に虫がつくのはね……しょうがない。だって人間が美味しく食べるものは、虫だって美味しいに決まってるでしょう。近頃は冬が暖かくて越冬できてしまうこともあり、残念ながら気温が上がる春〜夏は、虫はけっこう出てきます。
抵抗がなければ、薬を使うと即効性があります。ただ、口にするものなので、手でこまめに取ったり、お酢や牛乳を薄めた水をスプレーをしたり、食品原料や天然系のものを試してみるのもいいと思いますよ。

手で触るのは…という方はお箸を活用してみて!
おすすめ商品
野菜も水やりが大事です。草花と同様に土の表面が乾いたら水をたっぷりとあげるようにしましょう。
水やりに最適なアイテムをご紹介!
まとめ
路地植えには敵わないけれど、プランターでも育てる野菜によってはたくさん採れます。この夏は“食べられる園芸”で、物価高に勝つ!!

名城大学農学部卒業後、愛知の園芸店「ガーデンガーデン」に入社。店長をつとめた後、園芸の魅力をもっと伝えたい! と、2020年4月にYouTubeチャンネルを開設。「園芸超人・カーメン君」として、20年以上の園芸キャリアを活かした、絶対得する賢いガーデニング術を伝えている。
【YouTube】「カーメン君」ガーデンチャンネル