車のボディにうっすら黄色っぽい粉が――。今年は例年より早く黄砂が飛来しています。
風に乗って飛来した黄砂は放っておくとガンコなシミになったりガラスの視界不良につながったりと、やっかいな存在なので、早めの対策がおすすめです。
しかも、「いつも通りの洗車」ではなかなか落とせません。おまけに花粉飛散シーズンもまもなくです。黄砂と花粉が混ざるとなおさら面倒なことに……。
そこで、洗車ブームの火付け役の1人、YouTubeで洗車動画を配信している、ぬぬふぁくとりーのぬぬさんに、黄砂の時期ならではの洗車のポイントをお聞きしました。
「車好き女子ぬぬふぁくとりーのぬぬ」として2019年からYouTubeで車に関する動画を配信。2021年に株式会社NUNUFACTORYを設立し、埼玉県さいたま市で洗車とコーティングの専門店「洗車のNUNUFACTORY」をスタート。2022年にはオリジナル洗車用品ブランドPOMLも立ち上げる。動画登録者数は15万人超(2024年7月現在)。2024年8月には「洗車のNUNUFACTORY」2号店をオープン。
YouTube:【ぬぬふぁくとりー】https://www.youtube.com/@nunu87
黄砂の時期の洗車は、手洗いが正解
車にとって黄砂は困った存在です。小さくてとても硬い粒子なので、付着した黄砂を手で払い除けたり布で拭ったりすると、紙やすりでこすったときのように、車のボディに細かな傷をつけてしまう原因となるのです。
さらに、黄砂は水分を含むと固まるので、雨が降ると白いシミになり、通常の洗車ではなかなかとれません。(写真:黄色いマル部分)
黄砂の時期は花粉が飛びやすい時期でもあります。花粉も車には迷惑者。
湿ると粘着質になる成分を含んでいて、普通の洗車では落ちにくいのです。
しかもその成分は塗装を劣化させるので、放っておくと表面をクレーター状にえぐってしまう恐れがあります。黄砂と花粉が混ざると、もう最悪。
まだら模様にしつこいシミができ、ボディに傷や凹みがついてしまうリスクも。凹みができると洗車だけではどうにもならず、塗装し直さなくてはきれいになりません。
実は洗車機に付属しているシャンプーの多くが中性で、黄砂や花粉にはあまり効果がありません。
また、洗車機は予洗いが不十分なことが多く、紙やすり状態の洗車になりがち。この季節は断然手洗いがおすすめです!
洗車の心得「力を入れずに、スピーディーに」
さっそく洗っていきましょう。
洗車は手早くすることが重要。モタモタしていると水シミができてしまうので、手順をひと通り読んで、あらかじめ使う道具を確認しておくことがおすすめです。
傷をつけないようやさしく洗うことも大切なポイント。
最初から最後まで「力を入れずスピーディーに」を心掛けてくださいね!
なお、花粉は熱に弱いので、お湯洗車も有効です。
60~70度のお湯を、花粉がたまりやすいルーフやボンネットなどにかけるだけでも、ある程度は花粉が落ちます。応急処置として覚えておくといいですね。
手順①
ボディの前にタイヤまわりから
最初にタイヤまわりを洗いましょう。ボディを先に洗ってしまうと、タイヤを洗っている間にボディについた水滴が乾いてシミになってしまいます。
ポイントはしっかり水を届かせること。プラスチック製のタイヤハウスなら、それだけで汚れがかなり落ちます。毛羽だった素材が使われている場合は、ブラシで泥をかき出しましょう。
今回タイヤハウスの洗浄に使ったのは、タカギの『パチットブラシ かため 』。ホースにつなぐとブラシ部分から水が出るので、ブラシと水の勢いの2つで汚れを洗い流せます。一石二鳥!グングン泥が落ちて、使っていて楽しいアイテムです。
タイヤハウスはかためのブラシで汚れを落としてOKですが、ホイールを洗うときはかたいブラシでゴシゴシこするのは厳禁。
表面を傷つけてしまいます。やわらかめのブラシを使いましょう。黒いホイールに強い洗浄剤を使うのも禁物。シミができたり変色したりする心配があります。
手順②
たっぷりの水でボディを予洗いする
いよいよボディを洗いましょう。
まず、たっぷりの水でルーフから順に汚れを流します。ただ濡らすだけでなく、強めの水流で黄砂や花粉を洗い流すつもりで。
私が使っているのは、タカギの『BOXY NEXT 20m(グレー) 』です。ノズルを引っ張るだけでホースがサーっと滑り出てきて、ストレスなし!巻き取りもしやすいし、ノズルには洗車に必要な水流が全部揃っているので、日ごろから愛用しているシリーズです。
車のボディは水で流し切るまで、手でこすったり布で拭いたりするのは絶対にダメ!細かい傷ができます。
手順③
アルカリ性の泡で黄砂を浮かして落とす
次に、ボディ全体にアルカリ性のシャンプーの泡をかけていきます。
使用するシャンプーについてはアルカリ性のシャンプーが効果的。
粒子を浮かせて、こすらずに落とすことができます。
花粉はタンパク質を含む汚れなので、実は酸性のシャンプーのほうが向いています。
黄砂と花粉が混在している場合は、まずアルカリ性シャンプーで黄砂を落とし、その後に酸性シャンプーで花粉を落とす“2段階洗い”で対策をしましょう。
高圧洗浄機を使うとムラなく泡を撒けますが、フォームガンでも大丈夫。ご家庭にある洗車道具を利用 して、無理のない範囲で行いましょう。
ただし手動のフォームガンだとルーフ全体をカバーしにくいので、できれば電動フォームガンを用意してください。
全体にくまなく撒いたら、1~2分間そのままに。泡が黄砂汚れを浮き上がらせます。
黄砂でなく花粉を落としたいときは、アルカリシャンプーの代わりに酸性シャンプーを使い、同様に花粉を浮かせて流します。
黄砂と花粉が混ざっているときは、アルカリシャンプーで黄砂を落とし、酸性シャンプーで花粉を落とすという2段階で。
放置する時間が長いと、水滴が乾いてシミになります。1~2分程度にとどめること。
夏場はすぐに水滴が乾いてしまうので、できれば直射日光を避けて洗車を。
泡を長く放置せず洗ってすぐ流すのがコツです。早朝や夕方の洗車、部分洗いもおすすめ!
手順④
もこもこ泡で、手早くやさしく洗い上げる
続いて、中性洗剤でボディを洗っていきます。
ポイントは、もこもこ泡のダブル使い。アルカリ泡で流し損なった黄砂があっても、濃密な泡がクッションになって傷を防ぎます。
まずバケツに中性洗剤を入れ、ホースで勢いよく水を出して泡立てておきます。
次にフォームガンでボディ全体に中性洗剤の泡を撒き、バケツの泡で洗っていきます。
スポンジでやさしくなでるようにして、絶対に力を入れないこと。
ルーフ、フロントガラス、ボンネットと、上から下に洗いましょう。
ボディの面 ごとに順番を決めて洗うことで、効率よく汚れを落とせます。
その際、車に対して縦方向にスポンジを動かすと、横に動かすより手数が減り、時短になります。ちょっとした工夫ですが、きれいに仕上げるコツです。
今回は、タカギの『パチット洗車スポンジ 』を使いました。柄があるから大型車の屋根の中央部もラクに洗えるのが魅力です。
『パチット洗車スポンジ』は、スポンジ部分から水を出せるので、ボディの下側の泥や融雪剤を洗い落とすときにも重宝します。
融雪剤を落とすには、鉄粉除去剤を塗布し数分おいて流すのですが、このときパチット洗車スポンジなら、薬剤を流す作業とスポンジで洗う作業が1回で済むので便利です。
ただし、融雪剤や泥を落としたスポンジはボディを洗わないこと。スポンジ自体を洗っても泥の粒子が残っている可能性があります。泥汚れ用として用意することがおすすめ。
ボディを洗う際、スポンジを往復させるのは無数の微細な傷がついてしまう可能性があるのでNG。 1回なでたところは、もうなでないこと。
手順⑤
泡を流して、ふんわりタオルで拭き取る
全体をひとなでしたら、すぐにシャワーで泡を流します。
全部流し終えたら、タオルで水を拭き取りましょう。やわらかくて吸水力が高い洗車用ドライングタオルがおすすめです。
ここでもポイントは力を入れないこと。タオルをふんわりかけ、そのまま引くだけ。拭くというよりタオルでボディをひと通りなでるイメージで。
ドライングタオルは、軽~中型車なら大判のもの1枚でOK。大型車は2枚用意しておくと安心です。
一度地面に落としたタオルを、そのまま使うのは避けて。はたく程度では土や埃は落ちません!せっかく綺麗にした車が土や埃によって傷がついてしまう可能性があるのでNGです!
手順⑥
仕上げにコーティングを。次回の洗車がグンとラクに!
最後にコーティングをしておくと、黄砂や花粉が滑り落ちやすくなり、次回の洗車の際に汚れ落ちがよくなります。
ポイントを守れば黄砂も花粉も、タンパク質汚れも怖くない!
ご紹介したポイントさえ押さえれば、黄砂も花粉も怖くありません。
鳥のフンや虫の死骸がボディにつくこともあるものです。
こうした有機物も、つけっ放しにしているとタンパク質が塗装の表面を変質させ、ボディに凹みを作ってしまいます。アルカリ性シャンプーで洗い流しましょう。
今回ご紹介したシャンプーの使い分けや、浮かせて流す洗い方を覚えると、いろいろなシーンで役に立ちますよ!
「洗車って、楽しいですよ!」と、ぬぬさん。
確かに、いろいろな道具を使って、もこもこ泡とたっぷりの水で洗車するぬぬさんは、何とも楽しそう。どんどん汚れが落ちていくのも爽快です。暖かくなったら、休日の楽しみの1つとして洗車してはいかがでしょうか。
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